ステーブルコインまとめ(16) USR

📌 概要

  • シンボル名
    USR(Resolv USD)(LBank)
  • Ethereumアドレス
    0x66a1e37c9b0eAddca17d3662D6c05F4DECf3e110 (CoinGecko)
  • 発行元 / プロジェクト
    発行元:Resolv Labs — USRは同社によるデルタ中立型ステーブルコイン・プロトコルの一部。公式サイト:https://resolv.xyz/ (resolv.xyz)
  • 発行開始
    公式データでは明示されませんが、プール・取引データから2024年頃に稼働開始と推定されます(プロジェクトAge 約10–11 months)。(geckoterminal.com)
  • 発行総数(ドル)
    流通総供給量およそ約3億USRs程度(300M USR前後)。(geckoterminal.com)
  • coingeckoランク
    #194 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所
    • Uniswap V3 (Ethereum, BSCなど)
    • PancakeSwap
    • Curve 池
    • LBank(USR/USDTペア)
      主に分散型取引所(DEX)中心に流動性あり (LBank)

🎯 目的

USRの目的
USRは「ドルに連動するステーブルコイン」でありながら、従来のUSD 裏付け型とは異なるデルタ中立戦略を用いて価格の安定を図ることを目的としたプロジェクトです。直接法定通貨や銀行預金ではなく、ETH・BTCとそれへのヘッジポジションを組み合わせて1ドルにペッグします。(LBank)


⭐ 特徴

他のステーブルコインとの違い

  • デルタ中立モデル
    ETHおよびBTCを担保としつつ、価格変動に対してショートポジション等でヘッジし、価格安定性を維持。(LBank)
  • オーバーコラテラル(過剰担保)
    超過担保モデル+保険層(RLP:Resolv Liquidity Pool)でリスク緩和。(LBank)
  • ステーキング可能
    USR自体はペグ安定だが、stUSRなどステーキング版のトークンで利回り機会あり。(LBank)
  • オープンエコシステム連携
    EthereumだけでなくBase・Arbitrum・BSC等のネットワークやCurve等とのプール統合。(WhatToFarm)

📰 ニュース(1年以内)

※検索時点に明示的なメディア記事が少ないため、価格・上場関連情報を掲載します。

  1. LBankでUSDペアでのUSR取扱開始(取引開始2025年7月) — 上場ニュース。(LBank)
  2. Uniswap/PancakeSwap等で活発なUSDC/USR取引プール — DEX流動性ニュース。(WhatToFarm)
  3. CurveでのGHO/USRプール稼働(USD安定系同士の流動性提供)。(WhatToFarm)

🟢 メリット

USRを保有/利用するメリット

  • ドルペッグの安定性を持ちながら、クリプトネイティブ担保で透明性が高い。(CoinGecko)
  • ステーキング(stUSR)で利回り獲得可能。(LBank)
  • DeFiの流動性プロバイダー報酬など、分散型金融サービスとの連携メリット。(WhatToFarm)

⚠️ リスク

保有時の主なリスク

  • デルタ中立戦略固有のリスク:ヘッジポジションが期待通り機能しない可能性。(LBank)
  • スマートコントラクトリスク:コントラクトバグやハッキングリスク。
  • 流動性リスク:一部プールではTVL(流動性総額)が限られる場合あり。(WhatToFarm)
  • 未成熟プロジェクト要素:新機軸であるため、ベンチマークとの比較で未知の弱点が出る可能性あり。(CoinGecko)

ステーブルコインまとめ(15) rUSD

明けましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします。

昨年から続けてきましたステーブルコインのまとめ記事ですが、今年からcoingeckoランクにこだわらず、私が個人的に気になっているプロジェクトを紹介していきたいと思います。また毎週更新ではなくマイペースで更新していくかと思いますがご了承ください。

🧾 概要(Reservoir rUSD)

  • シンボル名
    rUSD(Reservoir rUSD)(CoinGecko)
  • Ethereumアドレス
    0x09D4214C03D01F49544C0448DBE3A27f768F2b34 など(Arbitrum/Baseでも同一)(Coinbase)
  • 発行元 / プロジェクト
    プロトコル名:Reservoir Protocol
    Webサイト例: https://www.reservoir.xyz/ (LBank)
  • 発行開始
    明確な開始年月の記載は見つかりませんでしたが、取引データでは2025年2月頃の価格履歴あり(CoinGecko)
  • 発行総数(時価総額)
    • 流通供給:約1億USD (wrapped staked rUSD)
  • coingeckoランク
    ランク:#407(CoinGeckoデータ)(CoinGecko)
  • 上場する主な取引所
    • 主に分散型取引所(DEX)で取引される例あり(例:Kodiak V3)(CoinGecko)
    • 中央集権取引所では限定的/主要取引なし

🎯 目的

Reservoir rUSD(rUSD)は、USDにペッグされた分散型ステーブルコイン で、DeFi向けに安定した価値保存手段や担保用途を提供します。特にDeFiプロトコル内での交換、担保貸借、流動性供給などの用途を想定しています。(CoinGecko)


💡 特徴

Reservoir rUSD の主な特徴:

  • 米ドルペッグ:1 rUSD ≒ 1 USDを目指すステーブルコイン(Peg維持機構あり)(CoinGecko)
  • DeFi連携重視:分散型市場での利用を中心とした設計。スマートコントラクトで発行・管理。(CoinGecko)
  • Yield可能性:一部の情報では、DeFi内での貸借や利回りポジションとの統合が可能とされる(プロトコルによる)(Cryptohopper)
    ➡ 債務担保型、またはプログラム的な供給調整モデルを採用している可能性があります。(Cryptohopper)
    (※上記は一部プロジェクト説明に基づく)

📰 ニュース(直近1年以内)

※Reservoir rUSD単体の明確な大きなニュースは限定的ですが、同名のrUSDトークンについて価格更新等の市場情報があります:

  1. Reservoir rUSD の価格・市場データ更新(CoinGecko)
    • 価格は1ドル付近で推移中、時価総額や取引状況が更新されています。(CoinGecko)
  2. rUSD が各ネットワークで取引可能
    • Ethereum / Arbitrum / Base など複数チェーンでアドレス確認あり(Coinbaseデータ)。(Coinbase)
  3. 一般的な市場での動き紹介や分析記事(データ提供サイト等)
    • 各種チャート・分析サイトが取り上げています(例:LaikaLabs)。(Laika AI)

(注:本件は複数プロジェクト名が類似するため、対象は「Reservoir Protocol に紐づく rUSD」です)


⚖️ メリット

  • 価格安定性
    USDペッグを目指すため、暗号資産市場の変動から逃避しやすい。(CoinGecko)
  • DeFi利用
    各種DeFiプロトコルで担保・交換・流動性提供に使える可能性あり。(Cryptohopper)
  • スマートコントラクトベース
    完全オンチェーンで発行・管理され、透明性重視。(CoinGecko)

⚠️ リスク

  • ペッグ維持リスク
    ステーブルコインでも価格が1:1から乖離する可能性あり。(CoinGecko)
  • 流動性リスク
    主要な大手ステーブルコイン(USDC/USDT)と比較すると流動性が低い可能性あり。(CoinGecko)
  • プロトコルリスク
    スマートコントラクト脆弱性、DeFiプロトコルの運営リスクが存在(例:攻撃、設計欠陥)。(Cryptohopper)
  • 採用リスク
    主要取引所での取扱いが限られるため、利用範囲・アクセス性に制約あり。

昨年の振り返りと今年の投資戦略(2025年度)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年はどのような年になりましたでしょうか。2025年は、第2次トランプ政権の発足やAIブームの再燃により、市場が大きく揺れ動いた一年でした。特に日経平均株価が初の5万円台を突破した一方で、4月にはトランプ関税の影響で急落するなど、まさにジェットコースターのような相場展開となりました。為替も150円近辺での乱高下が続き、投資家の胆力が試される場面も多かったのではないでしょうか。

kackyファンドは嬉しさとつらさが半々となった1年でした。昨年は、暗号資産が下落しマイナスとなりましたが、それを補うくらいの国内・国際株式が爆発的なリターンを叩き出してくれました。特に国際株式は+70%を超える驚異的な伸びを見せ、資産全体の拡大に大きく貢献しました。国内債券は金利上昇の中で堅調に推移し、ポートフォリオの安定に寄与しました。

それでは、いつものように昨年の振り返りと今年の投資戦略を展望したいと思います。
昨年立てた目標は次の通りです。

  • 最大損失(対前年評価額) –30%未満
  • 投資コスト(税金+手数料) 前年水準キープ

さて、どれだけ達成できたでしょうか。

最大損失 44.95% 未達。。
投資コスト 34404 円 達成!

最大損失については、残念ながら目標を達成できませんでした。特に春先の市場混乱時のドローダウンが響き、一時的に資産評価額が大きく目減りする場面がありました。やはりボラティリティの高い相場でのリスク管理は課題として残りました。
一方、投資コストについては目標をクリアしました。
コストの内訳は、
税金 34404 円
手数料 0 円
となり、手数料無料化の恩恵をフルに享受できた一年でした。税金についても、新NISAの活用などで一定の抑制効果が出ているようです。

次はアセットごとの利益率です(預金、DC 除く)

名称1年前現在利益率
暗号資産79.0%55.7%-10.14%
国内株式2.7%5.3%47.24%
国内債券10.8%12.1%0.62%
国際株式7.5%26.9%71.31%
国際債券0.0%0.0%0.00%

ご覧の通り、一昨年絶好調だった暗号資産は一服し、マイナスとなりました。代わって主役となったのが株式クラスです。特に国際株式は70%超という驚異的な利益率を記録し、国内株式も40%超えと、株式投資家にとっては笑いの止まらない一年となりました。資産配分(シェア)を見ても、株式の割合が大きく増え、暗号資産への依存度が下がったことが見て取れます。昨年立てたアセットアロケーションに沿った投資ができました。

今年の投資戦略ですが、暗号資産については、引き続きポートフォリオのバランスを見ながら徐々に利益確定を進め、過度な集中を避ける方針です。好調な株式クラスについては、新NISAを活用した積立を継続し、長期的な資産形成の軸とします。国内債券は、金利ある世界への移行を見据え、個人向け国債などで現金を遊ばせずに運用していきます。

具体的なアセットアロケーションは、以下の通りです。

  • 暗号資産 売り(30 ~ 40%)
  • 国内株式 少し買い(10 ~ 20%)
  • 国際株式 新 NISA 買い(30 ~ 40%)
  • 国内債券 個人向け国債を買う(10%~ 20%)
  • 国際債券 引き続きゼロ(0%)

今年も、市場の変動に惑わされず、長期的な視点で資産を育てていきたいと思います。
目標は昨年と同じく、リスクとコストのコントロールを徹底します。

  • 最大損失(対前年評価額) –30%未満
  • 投資コスト(税金+手数料) 前年水準キープ

2026年はトランプ政権の政策効果が本格化する年でもあります。変化を恐れず、しかし慎重に、今年も健全な長期運用を目指したいと思います。
読者の皆様、今年もよろしくお願いいたします m(_ _)m

ステーブルコインまとめ(14) USDG

概要

  • シンボル名:USDG(Global Dollar)
  • Ethereumアドレス:0xe343167631d89B6Ffc58B88d6b7fB0228795491d (Ethereum (ETH) Blockchain Explorer)
  • 発行元プロジェクト:Paxos Digital Singapore Pte. Ltd.(シンガポール) ⇒ リンク: https://www.paxos.com (Coinbase)
  • 発行開始:2024年11月1日(Ethereum上で) (bullish.com)
  • 発行総数(ドル建て):約10億ドル (CoinMarketCap)
  • coingeckoランク:#112(stablecoinカテゴリー内) (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所:例えば Kraken、Robinhood などが参画する “Global Dollar Network” が報じられています。 (coindesk.com)

目的

Global Dollar(USDG)は、米ドルに1:1でペッグされたステーブルコインで、ブロックチェーン上で米ドルの機能を担うことを目的としています。 (paxos.com)
発行元Paxosは、シンガポール金融監督庁(Monetary Authority of Singapore=MAS)による「Major Payments Institution(MPI)」としての認可を得ており、規制準拠型のステーブルコインを目指していると説明しています。 (Coinbase)
また、「Global Dollar Network」というコンソーシアム形式で、多数の企業(取引所、決済・金融企業)を巻き込んで、ステーブルコインの利用を推進するネットワークを構築しようとしています。 (coindesk.com)

用途としては、支払い(payments)、清算(settlements)、トレジャリー(財務)用途、スマートコントラクト・チェーン上のプログラム可能なお金としての役割が想定されています。 (bullish.com)


特徴

他のステーブルコインと比較して、以下のような独自の特徴があります:

  • 規制準拠性・信頼性:MASの認可を受けたPaxos発行という点が強調されています。 (Coinbase)
  • コンソーシアム型ネットワークモデル:Global Dollar Networkという仕組みで、多くのパートナー企業に参加を呼びかけ、ステーブルコインの普及を図る構想があります。参加企業は、準備金からの利回りを共有できる仕組みとも報じられています。 (coindesk.com)
  • マルチチェーン展開:主にEthereum ERC-20としてスタートしていますが、他チェーン(例:Solana)も対応予定という記述があります。 (eco.com)
  • 24時間/1:1償還可能:発行元は「いつでも1 USDG=1 USDで償還可能」という説明をしています。 (paxos.com)

ニュース(直近1年以内)

下記、USDGに関連して言及された記事を3つ挙げます。

  1. 「Global DollarのUSDG、数百のパートナーを募集 ― 銀行・TradFi大手も参加へ」: Coindesk記事(2025-05-22) (coindesk.com)
  2. 「Robinhood, Kraken等が参加 – グローバルステーブルコインネットワーク “Global Dollar Network” を発表」:Reuters記事(2024-11-04) (Reuters)
  3. 「パクソス、シンガポール規制下のステーブルコイン “Global Dollar(USDG)” を発行」:日本語記事(2024-11-06) (あたらしい経済)

メリット

  • USDGを保有・利用するメリットとしては、米ドルとペッグされたステーブルコインの利便性(価格変動リスクが非常に低い)があります。
  • 規制認可(MAS)を取得しており、信頼度・透明性という観点で優位性がある可能性があります。
  • コンソーシアム型ネットワークの参加者として、準備金運用からの利回りを共有する仕組みがあるとの報道もあります。 (coindesk.com)
  • マルチチェーン対応・スマートコントラクト連携が想定されており、DeFiやプログラム可能な金融用途に使いやすいという利点があります。

リスク

  • 準備金・償還能力リスク:どの銀行/カストディアンが準備金を保管しているか、詳細な開示が他大手ステーブルコインほど豊富ではない可能性があります。
  • 市場流動性リスク:USDGはまだ発行規模・流動性ともに大手(USDT/USDC)と比べて小規模であるため、急激な変動や流動性ショック時のリスクが高めです。発行規模も約10億ドル程度です。 (CoinMarketCap)
  • 信用・規制リスク:規制環境が世界的に変化しており、ステーブルコインへの監督強化が進んでいます。発行元・準備金運用先に対して想定外の規制・監査問題が生じる可能性があります。
  • 技術・チェーン依存リスク:ERC-20ベースですが、マルチチェーン展開とはいえ、利用先・インフラが未成熟な可能性があります。
  • ペッグ維持リスク:理論上1 USDG=1 USDですが、市場混乱・大量償還ラッシュ・準備金運用先の問題等でペッグが崩れる可能性はゼロではありません。

ステーブルコインまとめ(13) FDUSD

概要

  • シンボル名: FDUSD
  • Ethereumアドレス: 0xc5f0f7b66764F6ec8C8Dff7BA683102295E16409(ERC-20) (CoinGecko)
  • 発行元/プロジェクト: First Digital Labs(発行子会社 FD121 Limited)/リンク:https://firstdigitallabs.com/ (firstdigitallabs.com)
  • 発行開始: 2023年6月(6月頃ローンチ) (Binance)
  • 発行総数(流通量)/時価総額: 流通供給量およそ 10億 枚、時価総額およそ $10億(2025年11月時点) (CoinGecko)
  • CoinGeckoランク: #111 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所: 例えば Binance が取引ペアを提供しており、その他多数の取引所で扱われている(取引所の詳細個別記載なし) (oobit.com)

目的

FDUSD は、1 : 1 で米ドルにペッグされた法定通貨担保型ステーブルコインとして設計されています。発行元が「1 FDUSD = 1 USD(または同等の価値を持つ資産)」を担保として保持していると主張しています。 (firstdigitallabs.com)
用途としては、以下のようなものが挙げられます:

  • 暗号資産エコシステム内で「ドル代替」安定資産としての活用(価格変動リスクを抑える)
  • 国際送金・決済・DeFi(分散型金融)への利用(複数チェーン展開、ブリッジ等) (Bitget)
  • 特にアジア・中東・アフリカなどクロスボーダー用途を念頭に、従来の銀行システムを介さないデジタルドル流通を目指す姿勢あり。 (The Fintech Times)

特徴

他のステーブルコインと比較した際の特徴を挙げると:

  • 管理機関・発行主体が香港拠点の First Digital Trust/First Digital Labs であり、比較的新しい発行体という点。 (LBank)
  • 「完全担保(1:1)+定期的な第三者監査・保管資産の分別管理」を前面に打ち出しており、透明性を重視している点。 (Binance)
  • 複数ブロックチェーンへのマルチチェーン展開(発行当初 Ethereum、BNB Chain など)により、ユーザー・取引所・DeFiでの流動性を意図している点。 (ChangeNOW)
  • 最近、発行主体を英国領ヴァージン諸島(BVI)ベースの子会社に移行するなど、グローバル展開・規制対応の構造を変化させている点。 (firstdigitallabs.com)

ニュース(直近1年以内)

  1. 「FDUSD 発行体が英国領ヴァージン諸島(BVI)ベースの新発行体に移行」 — Aug 15 2025. (firstdigitallabs.com)
  2. 「BVNK が First Digital と提携、FDUSD の支払いインフラを強化へ」 — Jan 27 2025. (The Fintech Times)
  3. 「FDUSD をめぐる発行元と Justin Sun 関連の紛争が浮上、ペッグから一時乖離の報道」 — Apr 2 2025. (coindesk.com)

メリット

  • ステーブルコインとして1:1ドルペッグを目指しており、価格変動リスクが極めて低い点は利点。
  • ブロックチェーン(特に Ethereum 等)上で動作するため、デジタル資産エコシステムでの流用性・取引所での扱いやすさがある。
  • グローバルな送金・決済用途にも向き、法定ドルを代替する「デジタル・ドル」的な役割が期待できる。
  • 発行主体が監査・分別管理を公表しており、担保資産の透明性・信頼性をアピールしている。

リスク

  • 発行からの歴史が他の大手ステーブルコイン(例:USDC, USDT 等)に比べ浅いため、信頼構築・トラブル耐性という観点で未知数な部分あり。
  • 発行体・保管資産・規制対応の変化(例:BVI移行等)により、発行構造が変わったことから市場・規制のリスクも内包。
  • ステーブルコインで最も重要なのは「担保資産の実質的な保全」「ペッグ維持の信頼性」であり、何らかのショック(資産流動性低下、監査不備、法規制強化)ではペッグ逸脱・信頼低下のリスクあり。例えば先述の Justin Sun 関連の疑義報道。
  • 中央集権的な発行・管理体制という構造上、発行主体の信用・運営母体の業績・規制変更等の影響を受けやすい。
  • ステーブルコイン自身は価格上昇を目的とした投資対象ではなく、価値保存・流通手段としての役割が主であるため、「価格リターン」を期待する投資としては適さない(むしろ流動性/信用リスクを考慮する必要あり)。

ステーブルコインまとめ(12) SyrupUSDC

  • シンボル名: SyrupUSDC
  • Ethereumアドレス: 0x80ac24aa929eaf5013f6436cda2a7ba190f5cc0b (CoinGecko)
  • 発行元 プロジェクト: Maple Finance(“Syrup” 部分として運営) (maple.finance)
  • 発行開始: 公式に「発行開始年月」が明記されている情報は見つかりませんでした。ただし、記事によれば “the protocol launched syrupUSDC in 2024” と記載があり、2024年中にローンチした可能性が高いです (CryptoSlate)
  • 発行総数 (ドル換算): およそ$1.2B (The Defiant)
  • coingecko ランク: #101 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所:
      – Orca (Solana DEX) (CoinGecko)
      – Raydium (Solana) (CoinGecko)
      – Uniswap V4 (Ethereum) (CoinGecko)
      – DEX (Ethereum レイヤー) via Uniswap / Balancer の流動性プール (maple.finance)

目的

syrupUSDC は、Maple Finance が提供する “利回り付きステーブルコイン (yield-bearing stablecoin)” です。ユーザーが USDC を預け入れると、syrupUSDC(ERC-20 トークン)として受け取り、それを通じて Maple の貸付プール(主に機関借り手向けの過剰担保ローン市場)に資金を供給し、その貸付利息を分配として得る構造を持ちます (IQ.wiki)

この構造により、利回りを享受しつつ(=ステーキング的な性質)、いつでも流動性を保ちやすい形(流動性プール経由での即時引き出し可能性)を目指してます (maple.finance)

最近では、Ethereum だけでなく Solana 上にも展開し、異なるチェーンにまたがる相互運用性を強化することで、より流動性・利用性を高める戦略を取っています (maple.finance)


特徴

syrupUSDC の他のステーブルコインとの差別点・特徴は以下の通りです:

特徴説明 / 意義
利回り付きステーブルコイン単なるステーブルコインではなく、保有中に利息を得られる構造
即時流動性(即時引き出し)Uniswap や Balancer の流動性プールを通じて、いつでも USDC へスワップ可能とする仕組みを導入済み (maple.finance)
過剰担保ローンに基づく利回り源泉利回りは Maple の機関ローン市場から得られる収益に基づく (IQ.wiki)
マルチチェーン対応Ethereum だけでなく、Solana でネイティブ展開。Chainlink の CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)を使って橋渡し機能を持たせている (maple.finance)
流動性最適化戦略導入Arrakis による流動性オーケストレーション戦略を活用し、ステーブルコインとその利回り版間のプール効率を改善する試みが行われている (arrakis.finance)

ニュース(過去1年以内)

以下、syrupUSDC に関連する最近のニュースを 3 件ピックアップします:

  1. Maple’s SyrupUSDC Surpasses $1 Billion Supply Amid Arbitrum Expansion
     2025年9月、syrupUSDC の供給量(時価ベース)が 10 億ドルを突破したと報じられました (The Defiant)
  2. Crypto Lender Maple Finance Expands to Solana With Chainlink
     2025年6月、Maple が syrupUSDC を Solana 上でも展開すると発表。Chainlink CCIP を活用する形での相互運用性強化が取り上げられています (CoinDesk)
  3. Arrakis Launches Liquidity Orchestration for Yield-Bearing Stablecoins: SyrupUSDC Case Study
     2025年に Arrakis が、利回り付きステーブルコイン(特に syrupUSDC)を対象に流動性最適化戦略を導入したという事例記事が出ています (arrakis.finance)

(補足)また、Maple は「syrupUSDC を Solana に拡張」した旨を自社サイトでも発表しています (maple.finance)


メリット

syrupUSDC を保有・運用することには、以下のようなメリットが考えられます:

  • 利回り獲得:単なるステーブル保有ではなく、貸付収益から得られる利息を受け取れる
  • 流動性確保:いつでも USDC 等にスワップできる流動性プールが存在するため、流動性を犠牲にしにくい
  • 低リスクなステーブル性:元本が USDC に裏付けられており、価格変動のリスクは抑えられている設計
  • マルチチェーン利用:Ethereum、Solana といった異なるチェーンでのアクセス性
  • 流動性最適化戦略へのアクセス:Arrakis などの最適化技術によってプール効率が高まり得る

リスク

一方で、syrupUSDC を保有・利用する際には以下のようなリスクも存在します:

  • デフォルトリスク / 借入先リスク:利回りは機関向けローン収益を原資としているため、借り手が返済不能になった場合のリスク
  • スマートコントラクトリスク:バグや攻撃、脆弱性など、コントラクトのセキュリティリスク
  • ペグ崩壊リスク:理論上 1 USD に対するペグが維持される設計だが、需給変動や大規模な流動性ショックで乖離する可能性
  • 流動性ショックリスク:極端な市場混乱時には流動性プールが足りず、スリッページや遅延が発生する可能性
  • クロスチェーンリスク:Ethereum ⇄ Solana 間での橋渡しや相互運用性機構(例えば CCIP)に依存するため、クロスチェーン機構のリスクも関与
  • 中央化・管理権限リスク:発行契約者が将来的に手数料やミント機能を変更できる可能性(特に初期発行時点では統制構造が強い可能性)という指摘もあります (IQ.wiki)

ステーブルコインまとめ(11) USDf

概要

  • シンボル名: USDf(Falcon USD) (https://falcon.finance/)
  • Ethereumアドレス: 0xFa2B947eEc368f42195f24F36d2aF29f7c24CeC2 (Ethereum (ETH) Blockchain Explorer)
  • 発行元 / プロジェクト: Falcon Finance(Falcon Financeプロジェクト) (Bitfinex blog)
  • 発行開始(年月): 正確な発行開始年月は公開資料で確認できませんでした。ただし Etherscan のデプロイ日やソースコードの日付から、比較的新しいトークンと考えられます。 (Ethereum (ETH) Blockchain Explorer)
  • 発行総数(ドル建て / 流通総量)
     – 時価総額(Market Cap): 約 $1,519,439,229 USD (CoinGecko)
     – 最大供給量(Max Supply): 特に上限は設定されていないようで、「∞(無限)」となっている記録があります。 (CoinGecko)
  • CoinGecko ランク: #79 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所
     – Uniswap V3(Ethereum) で USDF/USDT ペアなどで活発に取引されているとの記載あり (CoinGecko)
     – また MEXC や Curve 等でも取引されている可能性あり (CoinGecko)

目的(ユースケース・プロジェクト概要)

USDf(Falcon USD)は、「過剰担保型(overcollateralized)」ステーブルコインとして設計されており、典型的な法定通貨担保型ステーブルコインとは異なり、担保として安定コイン(USDC, USDT など)だけでなく、変動資産(BTC, ETH など)も含む多様な資産を用いて発行されるモデルを採用しています。 (Bitfinex blog)

つまり、ユーザーは一定の担保を預け入れて USDf をミント(発行)でき、その後 USDf をステーキング(sUSDf という yield-generating トークン)することで利回りを得られるような双子トークンモデルを運営しています。 (The Street)

また、USDf / USD の価格フィードは Chainlink のオラクル網でも提供されています。 (data.chain.link)

プロジェクトの目的は、安定性と柔軟性・持続可能性を兼ねたデジタルドル基盤を提供することとされています。 (Bitfinex blog)


特徴(他ステーブルコインとの比較で目立つ点)

  • 複数資産担保モデル: USDf は単一の法定通貨担保(例えば預金口座に米ドルを保有)ではなく、安定コインだけでなく BTC や ETH などの変動資産も担保として受け入れることで、資本効率を高めようとしています。 (Bitfinex blog)
  • ステーキング可能な二次トークン構造: USDf をステークすることで sUSDf を得て、利回りを得ることができる設計があるとの報道あり。 (The Street)
  • 柔軟な発行・償還: 担保預け入れによりユーザーが自由にミント/バーンできるような仕組みを持っているようです。 (app.artemisanalytics.com)
  • オラクル連携: Chainlink による USDf/USD の価格フィードが公開されており、外部参照性を持たせている点。 (data.chain.link)

ニュース(直近1年以内)

  1. “Falcon Finance Surpasses $500M in USDf Stablecoin Supply”
     Falcon Finance が USDf の供給量を 5 億ドル超に拡大したという記事。 (The Street)
  2. “What is USDf (USDf)?” — Bitfinex Blog
     Bitfinex が USDf の概要や設計意図を説明する紹介記事(5か月前掲載) (Bitfinex blog)
  3. “USDf (Ethereum): Stablecoins composition” — Dune Analytics
     Dune で USDf の担保構成を可視化するデータが公開されているレポート。 (Dune)

※ただし、これらのニュースはいずれもプロモーションや解説的な内容が中心で、批判的な報道や大きな事件を扱ったものは確認できませんでした。


メリット(保有・ステーキング等の可能性含む)

  • 利回り取得の可能性: USDf をステークして sUSDf を得ることで、保有者が追加収益を得られる構造が設計されています。 (The Street)
  • 流動性と取引性: Uniswap 等の主要 DEX で取引ペアがある点により、比較的流動性を確保できる可能性あり。 (CoinGecko)
  • 資本効率: 複数資産担保モデルにより、より少ない担保で発行余地を広げられる可能性がある(ただしリスクも増す)
  • オラクルとの連携: Chainlink による価格フィードを持つことで、価格参照の透明性・信頼性をある程度確保している点 (data.chain.link)

リスク(保有時・運用時の注意点)

  • 担保資産の価格変動リスク: BTC や ETH のような変動資産を担保に使う設計のため、担保価値が下落した際には清算リスク(担保不足・トークン価値の崩壊)が生じうる。
  • 設計リスク・スマートコントラクトリスク: コントラクト脆弱性、バグ、アップグレード体制の問題など、スマートコントラクトに起因するリスクが存在する
  • 流動性リスク: DEX におけるスリッページ、浅い流動性ペアでの取引コスト上昇
  • ステーブル性維持リスク: 担保構成や清算メカニズムが想定通り機能しないと、ペグの崩壊・価格乖離が起きる可能性
  • 規制リスク: ステーブルコイン領域への規制強化(特にアメリカなど)によって運用が制限される可能性
  • 信用リスク: プロジェクト運営体制や担保運用先、オラクル連携先に対する信用問題

暗号資産暴落!試練の年末

先月の投資成績です。

11月の株式市場は、米国でAI相場の主役が交代するなど動きがありましたが、全体としては堅調でした。エヌビディアからアルファベットへと資金がシフトし、S&P500は小幅ながら上昇しました。日本市場でも、高市政権による経済対策への期待からTOPIXが上昇するなど、明るい材料が見られました。

債券市場では、米国の長期金利が低下しました。一時は利下げ期待の後退で金利が上昇する場面もありましたが、仮想通貨などのリスク資産への警戒感から安全資産である国債が買われました。日本では日銀の利上げ観測や財政拡大懸念から金利が上昇しており、日米で対照的な動きとなっています。

為替市場では、日銀の利上げ観測が後退したことや、活発な対外証券投資を背景に円安が進みました。ただ、今後は日銀の利上げ観測が再燃すれば、徐々に円高方向への修正が入ると見られています。それでも日米の金利差は依然として大きく、急激な円高にはなりにくいでしょう。

リート市場は、米国や日本で好調でした。特に米国では利下げ期待が相場を支え、ヘルスケアセクターなどが上昇しました。日本でもオフィス需要の回復を背景に堅調な推移が続いています。一方で、豪州などはインフレ懸念から軟調な動きとなりました。

さて、kackyファンドの成績ですが、今月は非常に苦しい結果となりました。株式市場の好調さに少し救われたものの、主力の暗号資産がBalancerのハッキング被害や米国の利下げ確率低下を嫌気して暴落してしまいました。

先月までの過去最高益から一転、年初来の利益をほぼ全て吐き出す形となり、ベンチマークの中でも最下位に転落してしまいました。まさに天国から地獄への急降下といった心境ですが、これも投資の世界では起こり得ることです。

非常に厳しい状況ではありますが、ここで投げ出してはいけません。こういう時こそ冷静に、長期的な視点を持つことが大切です。嵐が過ぎ去るのをじっと待ちながら、市場にとどまり続けることが将来の果実につながると信じています。

それでは、今月も長期投資で行きましょう!

Stream Finance事件から学ぶ:DeFiキュレーター投資の限界とリスク管理の教訓【反省会】

はじめに:DeFiで起きた「想定外の事件」

最近、DeFi界隈で大きな事件が起こりました。
Stream Finance事件」。
私の運用している kackyファンド もこの影響を受け、一定の損失を被ることとなりました。

この記事では、反省の意味も込めて、

  • 事件の概要
  • 影響の実態
  • DeFi投資で浮き彫りになった構造的リスク
  • そして今後の方針

を整理していきたいと思います。


Stream Finance事件の概要

事件の経緯は以下のCryptoTimesの記事が詳しいです。
👉 ステーブルコインxUSD、72時間で400億円が消えた – Stream Finance事件が暴く、DeFiの“見えない支配者”Curatorの正体

ざっくりと時系列を整理すると次のようになります。

  • 10月下旬:分散取引所 Balancer がセキュリティ侵害を受け、約7,000万ドルを損失
  • 11月3日:Stream Finance が約9,300万ドルの損失を発表し、入出金が停止
  • 11月4日:Stream Finance のUSD連動トークン xUSD が $0.16 まで下落(80%以上の価値喪失)
    → Morpho、Euler、Silo などでもUSDCの流動性が枯渇
  • 11月5日:Stream Financeと取引関係のあったUSDxなどもペッグを失う

DeFiプロトコルの脆弱性が連鎖的に広がり、関連する投資家・ファンドが一斉に資金を引き出せない状況となりました。


kackyファンドの被害状況

私自身は Euler Finance を通じて、Stream Financeと取引がされているキュレーター運用プールに資金を預けていました。
結果として、資金の一部は凍結し、約20%がいまだに引き出せない状況です。

ただし幸いにも、複数プールに分散していたため全損は回避できました。
今回改めて、「リスク分散」が資産運用の鉄則であることを痛感しました。


「キュレーター」とは何者か?

今回の事件のキーワードになっているのが「キュレーター(Curator)」です。
これは、他の業界で例えると 投資信託クラウドファンディング に近い存在です。

投資家は暗号資産をキュレーターに預け、キュレーターがその資金を運用。
利益が出ればその一部を手数料として受け取る、という構造です。

しかし問題は、

  • 投資家がリスクを負う一方で
  • 運用者は利益だけを優先しがちで
  • 運用の中身が見えない

という構造的な歪みにあります。


株式投資と比べてわかる「透明性の壁」

株式投資の世界では、金融商品取引法や出資法によって

  • 運用報告書の公開義務
  • 信託保全(顧客資産と会社資産の分離)

が厳格に定められています。

しかし、暗号資産キュレーターにはこうした仕組みが存在しません
投資家が見られるのは、せいぜい「直近リターン」や「TVL(総預かり資産)」程度。
資金がどこでどう運用されているのか、ほとんどわからない状態なのです。

この「透明性の欠如」こそが、キュレーター型DeFiにおける最大の課題であり、
信頼性を崩壊させる土壌になっていると感じます。


今後の見通し:2つのシナリオ

今回のような事態のあと、運用プールや投資家がどうなるか。
過去の事例を参考に、2つのシナリオを考えてみました。

シナリオ1:割引償還(Usual Finance型)

残存資産を基に、管財人やDAOの判断で割引価格で償還するケース。
Stream Financeの損失率が約20%と仮定すれば、60〜80%の返還が理想的なラインです。

参考:What Caused the USD0++ Depeg? – OneSafe Blog

シナリオ2:法的処理(Mt.Gox型)

破産申告を行い、裁判を通して返還が進むパターン。
返金される可能性は上がるものの、解決まで数年単位の時間を要します。

私個人としては、できるだけ早期に整理が進む「シナリオ1」に落ち着くことを願っています。しかし、最新のニュースを見る限り、償還が早期に開始される見込みは薄く、シナリオ2になる可能性が高くなりました。

参考:Silo DAO、未払いローンを巡りStream Financeに対して法的措置を開始


今後の投資方針と教訓

今回の事件で痛感したのは、
リスクの見えない運用は、どんなに高利回りでも危険」ということです。

私は、他人に運用を任せること自体を否定するわけではありません。
しかし、投資信託やプロの運用者に任せる方法には、法律や制度による透明性・保全措置があります。
問題は、その仕組みがDeFiキュレーターにはまだ存在していないという点です。

今後、kackyファンドは

  • キュレーターを介したレンディングから撤退
  • 自己管理可能なリスク構造(例:Liquidity Pool運用)へシフト

という方針で動きます。

DeFiに限らず投資の世界は「利益とリスクは表裏一体」です。
リスクを自分で評価できない運用は、もはや投資ではなく神頼みに近いと実感しました。


まとめ

DeFiは、金融の未来を感じさせてくれます。様々な利益追求方法が存在する魅力的な市場です。
しかし同時に、「透明性なき利回り」はいつでも牙をむく。

今回の事件は、その現実をまざまざと見せつけました。

kackyファンドとしては、
「透明性が低い運用」には手を出さない
「分散」と「自己管理」を徹底する

という原点に立ち返り、今後も長期的な投資を続けていきます。

ステーブルコインまとめ(10) USDtb

概要

  • シンボル名: USDtb(USDTB)
  • Ethereumアドレス: 0xC139190F447e929f090Edeb554D95AbB8b18aC1C (Coinbase)
  • 発行元・プロジェクト: Ethena Labs (USDtb のドキュメントで “USDtb” は Ethena プロジェクトの一部と記されている) (docs.ethena.fi)
  • 発行開始: 2024年12月(公式リリースによれば 2024年12月) (Gate.com)
  • 発行総数(循環供給量): 約 180億USD(1.8 B USDTB) (CoinGecko)
  • Coingecko ランク: #69 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所:
      – Fluid(Ethereum DEX) において USDE/USDTB のペアで流動性あり (CoinGecko)
      – Bybit(CEX) で上場発表あり (USDtb)
      – Curve(Ethereum 上) にもペアがあるとの記載あり (CoinGecko)

目的

USDtb の目的・設計意図を以下に整理します:

  • USD に 1:1 ペッグされたデジタルドルとして機能し、支払い、送金、保有、取引資産として使われることを想定 (docs.usdtb.money)
  • 他のステーブルコインとは異なり、主に 機関グレードのトークン化された米国財務商品(国債、短期金融商品等)を裏付け資産とする ことで “全額裏付け” を目指す設計 (docs.ethena.fi)
  • Ethena の他のステーブルコイン(例:USDe)とのリスク分散や安定性補完用途も念頭にあるようで、マーケットの資金移動やネガティブなファンディング率の状況下で資金が USDtb にシフトするような構造を想定しているという記述もある (The Defiant)
  • また、アメリカの新法「GENIUS Act(もしくは “GENIUS Act 準拠”)」に適合させることで、米国内での発行・流通を合法的・規制対応型に行いたいという戦略が取られているという報道もある (Unchained)

特徴(他のステーブルコインと比較しての差異・強み)

USDtb の設計にはいくつか注目すべき特色があります:

  1. 裏付け資産の質
     USDtb は主に BlackRock の「BUIDL(USD Institutional Digital Liquidity Fund)」というトークン化された流動性ファンドを裏付け資産として利用する設計で、これは米国国債、現金、レポ等を含む機関グレード資産を束ねたものとされている (CoinMarketCap)
     このような設計は、単純な現金担保型ステーブルコイン(例:USDC など)や部分担保型/アルゴリズム型ステーブルコインとの違いになる可能性がある。
  2. クロスチェーン対応と流動性展開
     発表では、Ethereum だけでなく Solana、Base、Arbitrum など複数チェーンでの展開を行う構想があるとされている (The Defiant)
     また、LayerZero などを介した “シームレスな” クロスチェーン機能を持たせたいという記述も報じられている (The Defiant)
  3. 規制適合性・透明性志向
     米国の新法 “GENIUS Act” に適合させる意図が報じられており、それに伴う監査、準備、資産裏付け・運営体制などを制度的に整える姿勢があるようだという報道がある (AInvest)
     また、ドキュメントや公式サイトでは “完全に裏付けられた(fully backed)” ステーブルコインとして透明性を打ち出している記載がある (docs.usdtb.money)
  4. リスク管理・資金シフトの機構
     USDtb は、Ethena のエコシステムにおいて、USDe 等他のトークンから資金を移し替えるクッション役を果たす可能性を持たせた設計とされている(市場ストレス時の安定性補強) (The Defiant)

ニュース(過去1年以内)

以下は、USDtb に関連する比較的新しい記事(あるいは報道)です:

  1. Ethena Taps Anchorage to Issue $1.5B USDtb Stablecoin Under GENIUS Act — Ethena が Anchorage Digital と組み、GENIUS Act 準拠で 15 億ドル規模の USDtb 発行を目論むという報道 (Unchained)
  2. Anchorage Digital Joins Forces with Ethena to Unveil First GENIUS-Compliant USDtb in the U.S. — GENIUS 法に則る最初のステーブルコインとしての USDtb 発表の報道 (CryptoNinjas)
  3. Ethena Labs Unveils USDtb Stablecoin, Backed by BlackRock’s BUIDL — USDtb の公開およびその裏付け資産構造についての報道 (The Defiant)

(このほかにも、たとえば Bybit 上場や流動性措置に関する報道が公式サイトで出ています) (USDtb)


メリット

USDtb を保有・利用することによる潜在的なメリットには以下が考えられます:

  • 安定性・信頼性
     質の高い裏付け資産を用い、透明性を意識した設計で「完全裏付け型ステーブルコイン」としての信頼を得やすい可能性がある。
  • 流動性と利便性
     複数チェーン展開や DEX / CEX 上場により、資産移転や交換が比較的容易になる可能性。
  • 規制適合性
     GENIUS Act 準拠を目指すことで、将来的には米国法領域での利用許可や機関投資家の参入障壁を低くできる可能性。
  • エコシステム補完性
     Ethena の他トークン(USDe など)との連動・リスク分散構造に組み込まれているため、エコシステム内で資金を最適化できる可能性がある。

リスク

しかしながら、USDtb に固有あるいは共通するリスクも無視できません:

  • 裏付け資産リスク/信用リスク
     BUIDL やその他トークン化された資産運用体制・信用性が期待通りでない場合、裏付け資産価値が揺らぐリスク。
  • 流動性リスク
     大規模な引き出しや急激な需要変動時に、裏付け資産を迅速に売却・清算できない可能性。
  • スマートコントラクト・実装リスク
     スマートコントラクトにバグや脆弱性があれば、資金盗難や操作リスクなど。
  • 規制リスク
     GENIUS Act など米国法制度の枠組みが今後変わる可能性、あるいは発行体や構造が法改正に耐えられない可能性。
  • 信用集中リスク
     裏付け資産として BlackRock や特定基金に強く依存している点が、集中リスクを高める。
  • 市場リスク・ペッグ崩壊リスク
     特定ショックが入ると、ペッグ変動・価格乖離リスクが発生しうる。