最高値更新の株価と暗号資産の復活

4月の投資成績です。

株式市場は、米国での半導体やデータセンター関連株の力強い伸びが市場全体を牽引し、S&P500や日経平均株価などが史上最高値を更新する活況を見せました。一方で、原油高や米国の利下げ観測の後退、日本国内での金利上昇への警戒感が相場の重石となる場面もありました。今後は、米国株は景気の底堅さから緩やかな上昇が期待され、日本株も政府の経済対策や賃上げと物価の好循環を背景に、年央にかけて底堅い展開が続くと見込まれています。

債券市場では、米国のインフレ高止まり懸念から長期金利が上昇しました。日本でもエネルギー価格の上昇に伴うインフレへの警戒と、日銀の金融政策正常化に向けた思惑から、10年国債利回りは上昇を続けています。今後の見通しとしても、米国の金利低下余地は限定的とみられ、日本では日銀の引き締めスタンスにより、長期金利には引き続き緩やかな上昇圧力がかかりやすい展開が予想されています。

為替市場は、中東情勢の緊迫化を受けた有事のドル買いが優勢となり、強い円安ドル高が進行しました。月末には政府・日銀による為替介入で一気に円高へ振れるなど、非常に荒い値動きの1ヶ月となりました。今後は日米の金利差縮小を見込む円高要因と、日本の貿易赤字懸念などの円安要因が拮抗し、対米ドルではしばらくもみ合いの相場が続くと考えられます。

リート市場は、米国でのデータセンター関連の好調やインフレヘッジとしての再評価から、グローバル全体では反発を見せました。一方、日本のリート市場はオフィス需要などが改善しているものの、国内の金利上昇が足枷となって軟調な推移となりました。短期的には利上げ観測が重荷となりますが、長期的には賃料の上昇傾向などから次第に底堅い動きになると期待されています。

さて、相場全体としては株式市場の史上最高値更新や為替の乱高下など、非常にダイナミックな動きが目立った4月でした。そんな中、我らがkackyファンドも、株式市場の大きな上昇と暗号資産の力強い回復の恩恵をしっかりと受けることができました。おかげさまで、落ち込んでいた資産額もようやく2月の水準まで戻してきており、ホッと胸を撫で下ろしています。

特に今月は、暗号資産の動向から目が離せません。米国でのクラリティ法案の進展や、国を挙げたビットコイン戦略の広がりなど、今後のさらなる上昇を期待させるポジティブなニュースが続いています。DeFi関連のrsETHやAaveからの資金流出といった気がかりなマイナス要因はありますが、全体としては確実に回復に向けて前進している手応えを感じています。

荒波の激しい為替や気迷い気味の債券市場など、引き続き気をつけるべき要素は多いですが、株式と暗号資産の両輪がようやく本来の力を発揮し始めたのは頼もしい限りです。不安要素に一喜一憂しすぎることなく、相場の熱気と冷静に向き合っていきたいと思います。

それでは、今月も長期投資で行きましょう!

Stream Finance事件から学ぶ:DeFiキュレーター投資の限界とリスク管理の教訓【反省会】

はじめに:DeFiで起きた「想定外の事件」

最近、DeFi界隈で大きな事件が起こりました。
Stream Finance事件」。
私の運用している kackyファンド もこの影響を受け、一定の損失を被ることとなりました。

この記事では、反省の意味も込めて、

  • 事件の概要
  • 影響の実態
  • DeFi投資で浮き彫りになった構造的リスク
  • そして今後の方針

を整理していきたいと思います。


Stream Finance事件の概要

事件の経緯は以下のCryptoTimesの記事が詳しいです。
👉 ステーブルコインxUSD、72時間で400億円が消えた – Stream Finance事件が暴く、DeFiの“見えない支配者”Curatorの正体

ざっくりと時系列を整理すると次のようになります。

  • 10月下旬:分散取引所 Balancer がセキュリティ侵害を受け、約7,000万ドルを損失
  • 11月3日:Stream Finance が約9,300万ドルの損失を発表し、入出金が停止
  • 11月4日:Stream Finance のUSD連動トークン xUSD が $0.16 まで下落(80%以上の価値喪失)
    → Morpho、Euler、Silo などでもUSDCの流動性が枯渇
  • 11月5日:Stream Financeと取引関係のあったUSDxなどもペッグを失う

DeFiプロトコルの脆弱性が連鎖的に広がり、関連する投資家・ファンドが一斉に資金を引き出せない状況となりました。


kackyファンドの被害状況

私自身は Euler Finance を通じて、Stream Financeと取引がされているキュレーター運用プールに資金を預けていました。
結果として、資金の一部は凍結し、約20%がいまだに引き出せない状況です。

ただし幸いにも、複数プールに分散していたため全損は回避できました。
今回改めて、「リスク分散」が資産運用の鉄則であることを痛感しました。


「キュレーター」とは何者か?

今回の事件のキーワードになっているのが「キュレーター(Curator)」です。
これは、他の業界で例えると 投資信託クラウドファンディング に近い存在です。

投資家は暗号資産をキュレーターに預け、キュレーターがその資金を運用。
利益が出ればその一部を手数料として受け取る、という構造です。

しかし問題は、

  • 投資家がリスクを負う一方で
  • 運用者は利益だけを優先しがちで
  • 運用の中身が見えない

という構造的な歪みにあります。


株式投資と比べてわかる「透明性の壁」

株式投資の世界では、金融商品取引法や出資法によって

  • 運用報告書の公開義務
  • 信託保全(顧客資産と会社資産の分離)

が厳格に定められています。

しかし、暗号資産キュレーターにはこうした仕組みが存在しません
投資家が見られるのは、せいぜい「直近リターン」や「TVL(総預かり資産)」程度。
資金がどこでどう運用されているのか、ほとんどわからない状態なのです。

この「透明性の欠如」こそが、キュレーター型DeFiにおける最大の課題であり、
信頼性を崩壊させる土壌になっていると感じます。


今後の見通し:2つのシナリオ

今回のような事態のあと、運用プールや投資家がどうなるか。
過去の事例を参考に、2つのシナリオを考えてみました。

シナリオ1:割引償還(Usual Finance型)

残存資産を基に、管財人やDAOの判断で割引価格で償還するケース。
Stream Financeの損失率が約20%と仮定すれば、60〜80%の返還が理想的なラインです。

参考:What Caused the USD0++ Depeg? – OneSafe Blog

シナリオ2:法的処理(Mt.Gox型)

破産申告を行い、裁判を通して返還が進むパターン。
返金される可能性は上がるものの、解決まで数年単位の時間を要します。

私個人としては、できるだけ早期に整理が進む「シナリオ1」に落ち着くことを願っています。しかし、最新のニュースを見る限り、償還が早期に開始される見込みは薄く、シナリオ2になる可能性が高くなりました。

参考:Silo DAO、未払いローンを巡りStream Financeに対して法的措置を開始


今後の投資方針と教訓

今回の事件で痛感したのは、
リスクの見えない運用は、どんなに高利回りでも危険」ということです。

私は、他人に運用を任せること自体を否定するわけではありません。
しかし、投資信託やプロの運用者に任せる方法には、法律や制度による透明性・保全措置があります。
問題は、その仕組みがDeFiキュレーターにはまだ存在していないという点です。

今後、kackyファンドは

  • キュレーターを介したレンディングから撤退
  • 自己管理可能なリスク構造(例:Liquidity Pool運用)へシフト

という方針で動きます。

DeFiに限らず投資の世界は「利益とリスクは表裏一体」です。
リスクを自分で評価できない運用は、もはや投資ではなく神頼みに近いと実感しました。


まとめ

DeFiは、金融の未来を感じさせてくれます。様々な利益追求方法が存在する魅力的な市場です。
しかし同時に、「透明性なき利回り」はいつでも牙をむく。

今回の事件は、その現実をまざまざと見せつけました。

kackyファンドとしては、
「透明性が低い運用」には手を出さない
「分散」と「自己管理」を徹底する

という原点に立ち返り、今後も長期的な投資を続けていきます。