嵐の後の晴れ間

先月の投資成績です。

5月のkackyファンドは、4月の損失をなんとか取り戻し、ホッと一息ついたところです。特に好調だったのは暗号資産と国内株式で、おかげさまで2月末くらいの水準まで回復しました。国内株は今年に入ってプラスに転じています。ベンチマークファンドの中では国内比率が高いひふみプラス、日経平均株価といったところが相対的に好調に推移しています。さて、世の中の相場はどうだったのでしょうか。一緒に振り返ってみましょう。

5月の海外株式市場は、米中間の関税引き下げが発表されたことを好感し、全体的に回復ムードでしたね。アメリカや中国だけでなく、ECBの利下げ期待からドイツ株が史上最高値を更新したり、香港市場も大きく値を上げました。一方、日本の株式市場も回復は見られたものの、企業の新年度業績予想が少し慎重だったことや、アメリカの政策運営に対する不透明感もあって、上値は重い展開でした。輸出関連企業にとっては、関税問題の行方が気になるところです。

今後の株式市場ですが、アメリカ市場は短期的な調整を挟みつつも、年後半には減税効果や金融緩和への期待から上昇に転じる可能性があると言われています。日本市場は、上半期は一進一退かもしれませんが、下半期には海外経済の回復とともに企業業績の改善が期待されます。ただし、日銀が利上げに動けば円高が進み、株価の重しになる可能性には注意が必要ですね。私のファンドでも海外株は上昇しましたが、円高の影響でその恩恵は少し控えめでした。

債券市場では、5月は米国の長期金利が上昇しました。米中貿易協議の進展で、比較的安全とされる債券の魅力が少し薄れたことや、アメリカの財政赤字拡大への懸念が主な理由です。欧州や日本の長期金利も、同様の理由から上昇基調となりました。金利が上がると、一般的に既に発行されている債券の価格は下がる傾向にあるので、債券投資家にとっては少し注意が必要な局面です。

今後の債券市場ですが、アメリカでは財政赤字などの懸念から長期金利は高止まりしやすいと見られています。欧州ではECBによる利下げが見込まれるものの、金利が大きく下がる余地は限定的かもしれません。日本の長期金利は、日銀の姿勢から見ても、緩やかに上昇していく可能性が考えられます。債券投資は、引き続き金利動向に注意を払う必要がありそうですね。

為替市場では、5月の円相場は対米ドルで月間ではわずかに円安となりました。月前半は米中合意でリスクオフムードが和らぎ円が売られましたが、後半はアメリカの長期金利が上がったにもかかわらず、米国の財政赤字懸念からドルが売られ円高になるという、少し複雑な動きも見られました。ユーロは対米ドルで強く、ドルからユーロへの資金シフトも感じられます。対円でもユーロ高が進みました。

今後の為替ですが、円の対米ドルレートは、アメリカの利下げ観測と日本の利上げ観測の後退から、しばらくもみ合いが予想されます。一方、円の対ユーロレートは、ユーロ圏の金利が高止まりしそうで、安全資産としてのユーロ需要もあり、ユーロ高が進むかもしれません。為替の動きは本当に多くの要因が絡み合うので、引き続き注視が必要です。

5月のグローバルリート市場は、長期金利が上昇する中でも、多くの地域で現地通貨ベースでは上昇しました。特に欧州や香港のリート市場は、金融緩和期待などを背景に堅調でした。一方で、日本市場の上昇は限定的でした。kackyファンドでは国内REITの比率は小さいですが、コツコツと積み上げています。

今後のリート市場は、アメリカの関税政策や長期金利の動向に左右される不安定な展開が予想されます。ただ、日本のリートは投資口価格の割安感や良好なファンダメンタルズから、底堅い動きが期待できるかもしれません。分散投資の一環として、引き続き注目していきたいアセットです。

さて、kackyファンドでは暗号資産が好調だったとお伝えしましたが、この分野は本当にボラティリティが高いですね。過去には暗号資産の暴落で大きな損失を出したこともありましたが、『暗号資産ガチ勢』としては、市場の清算プロセスも含めて冷静に見ています。今回は良い方向に振れましたが、一喜一憂せず、引き続き長期的な視点で付き合っていきたいと考えています。

それでは、今月も長期投資で行きましょう!

トランプ関税ショック再び?

先月の投資成績です。

3月のkackyファンドは、残念ながら株式・暗号資産ともに下落し、マイナス着地となってしまいました。特に月末にかけてトランプ政権による新たな関税政策への懸念が広がり、市場全体がリスクオフムードに包まれたのが痛かったです。4月に入ってもまだ不安定な動きが続いており、先行きに注意が必要な状況です。

3月の株式市場は、日米など先進国を中心に厳しい展開でした。S&P500は調整局面入りを示す10%以上の下落となり、特に半導体関連が軟調でしたね。景気悪化の懸念があるのに財政は引き締め方向、一方で物価は高止まりで金融緩和も期待薄という難しい状況です。ここにトランプ関税の懸念が加わり、投資家心理を冷やしました。今後は、米国株は業績期待と割高感・関税リスクの綱引き、日本株は金融政策や企業統治改善への期待が支えとなるか注目です。

債券市場に目を向けると、米国の長期金利(10年国債利回り)は月を通して見ればほぼ横ばいでしたが、月中の変動は非常に大きかったです。景気懸念で低下したかと思えば、物価上昇懸念で反発し、月末はリスクオフで再び低下と、まさに乱高下でした。欧州ではECBが利下げしたものの、ドイツの財政拡張観測で金利は上昇。日本も物価高や日銀の追加利上げ観測から長期金利が上昇し、1.5%を超える場面もありました。今後は、米国金利は高止まり、日本は上昇圧力が続きそうです。

為替市場では、円相場は対米ドルで方向感に乏しい動きでした。月初は円高に振れましたが、中盤には円安に押し戻され、月末に再び円高方向へ。結局1ヶ月では小幅な円高となりました。日米金利差は依然大きいですが、今後はFRBの利下げ観測と日銀の利上げ期待から、緩やかな円高方向への圧力がかかりやすいと見ています。ただし、そのペースはゆっくりしたものになるでしょう。対ユーロ、対豪ドルでも同様に緩やかな円高を想定しています。

リート市場は、グローバルで見ると下落しました。構成比の大きい米国リートが、関税や景気リスクへの警戒感から売られた影響が大きいです。欧州リートも金利上昇が重しとなりました。円高も円ベースのリターンを押し下げましたね。一方、日本のリート(J-REIT)は、国内長期金利の上昇にもかかわらず、悪材料出尽くし感や相対的な利回りの高さから反発しました。今後は金利動向に左右される不安定な展開が続きそうですが、J-REITの割安感や各社の自助努力には期待したいところです。

私のファンドでは暗号資産も下落要因となりましたが、これは2018年や2020年にも経験した調整局面と捉えています。市場の過熱感を冷ますプロセスとも言えるかもしれません。相場全体を見ても、景気、物価、金融政策、そしてトランプ関税と、多くの不確定要素が複雑に絡み合っています。一喜一憂せずどっしりと構えた長期投資が求められています。

それでは今月も長期投資で行きましょう!

暗号資産暴落、、、でも慌てない!

先月の投資成績です。

2025年1月は、まさにジェットコースターのような相場でしたね。kackyファンドも、年初は好調でしたが、2月に入ってからのトランプ関税発動による暗号資産の暴落で、残念ながら損失を抱える状況となりました。

1月を振り返ると、日本株は経済政策への失望や日銀の政策金利引き上げで下落しましたが、銀行セクターは上昇しました。米国株は好調な企業収益で上昇しましたが、ディープシークショックで一時下落する場面もありました。

債券市場では、日本の長期金利が日銀の政策金利引き上げで上昇しました。米国も経済指標の強さから長期金利が上昇しましたが、その後低下に転じました。

為替は、円の対米ドルレートが日銀の政策金利引き上げにもかかわらず、1ドル155円近辺で推移しました。これは、FOMCでの政策金利据え置きも影響しています。

グローバルリート市場は、米国主導で上昇しました。円ベースでは、円高がマイナスに寄与し、ほぼ横ばいとなりました。

今後の見通しですが、株式市場は、日本株は経済政策や為替相場を睨みながらのレンジ相場が予想されます。米国株は、AI関連銘柄などハイテク銘柄を中心に優良銘柄の業績拡大が期待され、堅調な個人消費が続けば、取引レンジを切り上げる展開が予想されます。

債券市場は、日銀の金融政策正常化路線と追加利上げ期待を背景に、日本の長期金利は上昇すると予想されています。米国は、FRBの利下げは継続する見通しですが、長期債には期間プレミアムが求められる可能性が高いでしょう。

為替は、FRBの利下げと日銀の利上げによる金利差縮小が円高要因となる一方、日本の経常収支の構造変化は円安要因となり、緩やかな円高が予想されます。

グローバルリート市場は、米国の金利動向に左右される不安定な展開が予想されます。

kackyファンドとしては、今は厳しい状況ですが、過去の経験から、このような時期こそ冷静に市場を見極め、長期的な視点で投資を続けることが重要だと考えています。

今は、市場全体が不安定な時期ですが、長期投資家にとっては、優良な資産を割安で仕込むチャンスでもあります。

それでは、今月も長期投資で行きましょう!