ステーブルコインまとめ(2) USDC

概要

  • シンボル名: USDC
  • Ethereumアドレス(ERC-20 コントラクトアドレス): 0xA0b86991c6218b36c1d19d4a2e9Eb0cE3606eB48
  • 発行元 / プロジェクト: Circle 等。Centre コンソーシアム由来。
  • 発行開始: 2018年9月
  • 発行総数 / 流通量
     Circulating supply(流通量):約 74,000~75,000 百万 USDC 相当(ドル建てで概算)
  • CoinGecko ランク#7 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所: Binance、Coinbase、Kraken、OKX 等ほぼ全ての主要取引所

目的(ユースケース/プロジェクトの概要)

USDC は「ドルペッグされたステーブルコイン(1 USDC = 1 USD 相当を目指す)」として設計されており、主に次の用途・目的を持ちます:

  • 暗号資産間の取引におけるステーブル資産:仮想通貨のボラティリティを避けつつ、チェーン上での移動手段として使われる。
  • 決済手段:DeFi アプリ、支払い、融資、レンディング、ステーブルな価値交換などに利用。
  • ブロックチェーンと法定通貨の橋渡し:法定通貨(米ドル)とブロックチェーン上の価値を結びつける手段。
  • 準備金運用収益:USDC の準備金は流動性の高い現金や短期国債などで運用され、利息収益を得ることが可能。 (circle.com)
  • 規制対応・透明性を重視:Circle は準備金の透明性、公表、監査などを経て、規制適合性を高めようとしている。 (circle.com)

特徴(他のステーブルコインと比べて)

USDC が持つ特徴・強みおよび差異点を以下に挙げます:

特徴内容
100% 準備金担保(fully backed)USDC は発行枚数に対して十分な支払準備金(現金・短期国債等)を保有し、いつでも 1:1 交換を目指しているとされる。 (circle.com)
透明性と定期報告Circle は準備金の保有構成、公表、独立第三者によるアシュアランス(保証報告)を実施。 (circle.com)
マルチチェーンでの展開Ethereum だけでなく、Arbitrum、Avalanche、Polygon、Base など複数ブロックチェーンで使えるように展開。 (ウィキペディア)
規制準拠重視/信頼性志向規制対応・コンプライアンスを重視する姿勢を前面に出しており、機関投資家からの信頼を得やすい傾向。 (osl.com)
過去のデペッグ事象2023年、Silicon Valley Bank(SVB)の破綻により、USDC の準備金の一部が影響を受け、一時的にドルペッグを失った経験あり。 (ウィキペディア)
トロン(TRON)からの撤退リスク管理を理由に、Circle は TRON 上での USDC 新規発行を停止。 Binance などでは TRON 経由での入出金サポート終了の動きも。 (Reuters)

ニュース(過去1年以内で USDC に関連する主なもの)

以下は、USDC またはその発行元 Circle に関して、最近報じられた主なニュース例です:

  1. Circle Internet Group、IPO 目標額を引き上げ — USDC の採用拡大を背景に
     Circle が IPO に向けて発行株数・価格範囲を拡大する計画を発表。USDC 拡張が背景との報道。 (Reuters)
  2. Circle の NYSE 上場、初値急騰
     Circle が NYSE 上場し、USDC 発行体の公開会社化が実現。上場初日に大幅上昇。 (Cinco Días)
  3. Binance、TRON 上の USDC サポート終了を発表
     Circle の方針と連動し、Binance は TRON ネットワークを通じた USDC の入出金を停止。 (Reuters)

(これら以外にも、ステーブルコイン全体を巡る規制動向や監督当局の発言、暗号資産業界での議論などで USDC が言及されることが多いです。)


メリット(USDC を保有/活用する利点)

  • 価格安定性:1 USDC ≒ 1 USD の価値を維持するよう設計されており、価格変動リスクが小さい。
  • 決済・送金の利便性:国際送金、スマートコントラクト決済、DeFi 活用などに使いやすい。
  • 運用収益機会:USDC の準備金は安全性の高い資産で運用され、その利息(準備金収益)から発行体が収益を得る構造。
  • 規制・信頼性:透明性、報告制度、コンプライアンス重視の方針が投資家に安心感を与える。
  • DeFi エコシステムとの親和性:多くのレンディング・流動性プール・ステーブル貸出などで使われており、流動性も高い。
  • 流動性・市場受容性:多くの取引所で取扱われており、売買・交換の流動性が豊富。

リスク(USDC を保有/利用する際の主な懸念点)

  • 準備金リスク / 信用リスク:準備金運用先(銀行、国債、その他短期資産等)の信用不安や流動性リスクが USDC の裏付けに影響を及ぼす可能性。
  • デペッグリスク:極端な市場ショックや準備金の問題が発生した場合、1 USDC = 1 USD のペッグを失うリスクがある(過去に SVB 関連リスク事象あり) (ウィキペディア)
  • 流動性リスク / ランの可能性:万一大規模な資金引き出しが発生した際、変動性・流動性の問題によって交換が円滑でなくなる可能性。研究では USDC に対する年率「ラン」リスクも指摘されている。 (Investopedia)
  • 規制リスク:ステーブルコインに関する規制強化、法制度変更、監督当局の方針転換などが将来的リスクになる可能性。
  • ブリッジ/ネットワークリスク:マルチチェーン対応のためにブリッジを介するケースがあり、スマートコントラクト脆弱性やブリッジ失敗リスクも。
  • 集中管理リスク:発行体である Circle による管理・運用・方針変更などのリスク。
  • インフレ・金利リスク:USDC の準備金利率が変動すれば発行体収益や健全性に影響。

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