2009年6月13日

ワクチン債について

ワクチン債(南アフリカランド建て)が楽天証券などを通じて販売がなされています。

楽天証券より

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/bond/foreignbond/bond_vaccine_200905.html

“”世界には、貧しさ故に予防接種を受けられず、幼く尊い命が失われている現実があります。「IFFIm」の活動は、途上国の子ども達へのワクチン提供支援に賛同する加盟7カ国からの寄付金で支援されています。この寄付金は2006年から2026年までの20年間という長期間に渡ることから、ワクチン供給が限定的にならざるを得ないのが大きな課題になっています。そこで登場するのが“ワクチン債”なのです。長期に渡る寄付金誓約を担保に債権を発行することで、より早く資金を調達し大規模な予防接種に展開することによって、その効果を最大限にすることが可能になるからです。「IFFIm」は将来に渡って加盟国から寄付される総額の内、40億ドルをワクチン債発行による資金調達に充当し、予防接種の為に一気に拠出することで2015年まで5億人の幼い命を守ることを目標として掲げています。

なにやら聞こえからすると債券投資であると同時に社会貢献であるかのようなすばらしい商品であるような気がしてきます。

しかしながら、私から正直に申しますと、こういう類の資金を負債によって調達するのは根本的に間違っていると思います。

この債券の性格を要約しますと、寄付金によってワクチンを賄っているが、それだけでは足りていない。そこで寄付金を担保に債券を発行することでその資金を一気に使えるようにしようということです。簡単に言いますと「前借り」です。

負債と言うものは前借りの性格をもっていますから、別にここに関してけちをつけるつもりはありません。しかしながら、負債である以上そこには「金利」が発生します。負債を抱えた以上はそれを上回る資金を数年後へ向かって返していかなければなりません。

これを実現するためには「成長のシナリオ」が必要になってきます。

たとえば、

  • 年平均6.85%で寄付金が増えていく
  • 年平均6.85%でワクチンの供給で利益を生む

と言ったものです。しかし、このような成長のシナリオが描けるでしょうか。年平均6.85%安定的に寄付金を増やしていくのはなかなか大変だと思います。営利目的ではないでしょうから、ワクチンを付加価値をつけて売ることも出来るものではないと思います。

もちろん、インフレの影響もあるのである程度ランド安に傾けば、6.85%をすべて成長で賄う必要があるとは思いませんが、これは非常に当てにならないものです。(ランド安に傾けば投資家は損をします!)

以上から、このようなことをしていたらこの団体は早晩資金繰りに窮するのではないでしょうか。

世間の話にたとえるなら

『ものすごい別品な女性と付き合っている。でも交際を続けるには今の給料では足りない。だから給料を前借りさせてほしい。』

と言っているようなものです。あなたが彼の上司ならどうしますか??

『自分の給料で賄える人と付き合いなさい。そんなことをして一生涯の給料を食い尽くしたらそれで君の人生は終わってしまうのだよ?うまく別品さんと結ばれたとしても君の給料が上がる保証なんてどこにもないじゃないか!』

と言って諭すのではないでしょうか。

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