ステーブルコインまとめ(11) USDf

概要

  • シンボル名: USDf(Falcon USD) (https://falcon.finance/)
  • Ethereumアドレス: 0xFa2B947eEc368f42195f24F36d2aF29f7c24CeC2 (Ethereum (ETH) Blockchain Explorer)
  • 発行元 / プロジェクト: Falcon Finance(Falcon Financeプロジェクト) (Bitfinex blog)
  • 発行開始(年月): 正確な発行開始年月は公開資料で確認できませんでした。ただし Etherscan のデプロイ日やソースコードの日付から、比較的新しいトークンと考えられます。 (Ethereum (ETH) Blockchain Explorer)
  • 発行総数(ドル建て / 流通総量)
     – 時価総額(Market Cap): 約 $1,519,439,229 USD (CoinGecko)
     – 最大供給量(Max Supply): 特に上限は設定されていないようで、「∞(無限)」となっている記録があります。 (CoinGecko)
  • CoinGecko ランク: #79 (CoinGecko)
  • 上場する主な取引所
     – Uniswap V3(Ethereum) で USDF/USDT ペアなどで活発に取引されているとの記載あり (CoinGecko)
     – また MEXC や Curve 等でも取引されている可能性あり (CoinGecko)

目的(ユースケース・プロジェクト概要)

USDf(Falcon USD)は、「過剰担保型(overcollateralized)」ステーブルコインとして設計されており、典型的な法定通貨担保型ステーブルコインとは異なり、担保として安定コイン(USDC, USDT など)だけでなく、変動資産(BTC, ETH など)も含む多様な資産を用いて発行されるモデルを採用しています。 (Bitfinex blog)

つまり、ユーザーは一定の担保を預け入れて USDf をミント(発行)でき、その後 USDf をステーキング(sUSDf という yield-generating トークン)することで利回りを得られるような双子トークンモデルを運営しています。 (The Street)

また、USDf / USD の価格フィードは Chainlink のオラクル網でも提供されています。 (data.chain.link)

プロジェクトの目的は、安定性と柔軟性・持続可能性を兼ねたデジタルドル基盤を提供することとされています。 (Bitfinex blog)


特徴(他ステーブルコインとの比較で目立つ点)

  • 複数資産担保モデル: USDf は単一の法定通貨担保(例えば預金口座に米ドルを保有)ではなく、安定コインだけでなく BTC や ETH などの変動資産も担保として受け入れることで、資本効率を高めようとしています。 (Bitfinex blog)
  • ステーキング可能な二次トークン構造: USDf をステークすることで sUSDf を得て、利回りを得ることができる設計があるとの報道あり。 (The Street)
  • 柔軟な発行・償還: 担保預け入れによりユーザーが自由にミント/バーンできるような仕組みを持っているようです。 (app.artemisanalytics.com)
  • オラクル連携: Chainlink による USDf/USD の価格フィードが公開されており、外部参照性を持たせている点。 (data.chain.link)

ニュース(直近1年以内)

  1. “Falcon Finance Surpasses $500M in USDf Stablecoin Supply”
     Falcon Finance が USDf の供給量を 5 億ドル超に拡大したという記事。 (The Street)
  2. “What is USDf (USDf)?” — Bitfinex Blog
     Bitfinex が USDf の概要や設計意図を説明する紹介記事(5か月前掲載) (Bitfinex blog)
  3. “USDf (Ethereum): Stablecoins composition” — Dune Analytics
     Dune で USDf の担保構成を可視化するデータが公開されているレポート。 (Dune)

※ただし、これらのニュースはいずれもプロモーションや解説的な内容が中心で、批判的な報道や大きな事件を扱ったものは確認できませんでした。


メリット(保有・ステーキング等の可能性含む)

  • 利回り取得の可能性: USDf をステークして sUSDf を得ることで、保有者が追加収益を得られる構造が設計されています。 (The Street)
  • 流動性と取引性: Uniswap 等の主要 DEX で取引ペアがある点により、比較的流動性を確保できる可能性あり。 (CoinGecko)
  • 資本効率: 複数資産担保モデルにより、より少ない担保で発行余地を広げられる可能性がある(ただしリスクも増す)
  • オラクルとの連携: Chainlink による価格フィードを持つことで、価格参照の透明性・信頼性をある程度確保している点 (data.chain.link)

リスク(保有時・運用時の注意点)

  • 担保資産の価格変動リスク: BTC や ETH のような変動資産を担保に使う設計のため、担保価値が下落した際には清算リスク(担保不足・トークン価値の崩壊)が生じうる。
  • 設計リスク・スマートコントラクトリスク: コントラクト脆弱性、バグ、アップグレード体制の問題など、スマートコントラクトに起因するリスクが存在する
  • 流動性リスク: DEX におけるスリッページ、浅い流動性ペアでの取引コスト上昇
  • ステーブル性維持リスク: 担保構成や清算メカニズムが想定通り機能しないと、ペグの崩壊・価格乖離が起きる可能性
  • 規制リスク: ステーブルコイン領域への規制強化(特にアメリカなど)によって運用が制限される可能性
  • 信用リスク: プロジェクト運営体制や担保運用先、オラクル連携先に対する信用問題

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