前回の日記で予告していましたが、本日日経225ETF(1321)を全株売却しました。約定単価は10650円でした。
この銘柄はとても思い出深い銘柄ですので今日はその話をしたいと思います。なにより私のインデックス投資家としての第一歩となる銘柄でした。初めて買ったのは2008年の1月のことです。14670円でした。それまでの私は自分の好きな株、投資信託をいろいろと売買していました。しかし、思ったほど儲かりません。正直、あの頃は自分でもどうしたら投資で成功できるのかよく解っていなかったのだと思います。
そんな惑う気持ちの中でネットサーフィンをしていたときに見つけたのが投資信託でスローマネー!というWebサイトでした。そこでは主に長期投資というものの考え方の基本が書かれていました。
…つまるところ、投資というものの利益の原泉はあるリスク資産を保有するという行動にある。一般的に利益の原泉と思われているリスク資産を売買するということではなく。そして、その利益を最大化させるためには出来る限り、保有するためのコストを最小化することが肝心で、インデックス投資信託が有力な手段となる。
これだ、と思いました。自分の求めていた投資法というものは。私はすぐに実行に移そうと思いました。しかし、2007年末の時点ではまだ今日のようにインデックス投信が積立でサクサク買えるという環境ではありませんでした。インデックス投信ブームの口火を切ったSTAMシリーズが登場したのが2008年1月のことです。まだ、野村證券しか口座を持っていないこともあり、あれこれ悩んだ結果買い始めたのがこのETFだったのです。当時は売買単位は10口単位でした。このETFを買うのに最低でも14万円ほど必要でした。このため、自分のペースで買い付けを行うために株式累積投資(るいとう)を使いました。2008年9月にこのETFの売買単位は1口単位となります。このことは個人投資家のインデックス投資への裾野を広げる上で大きなニュースとなりました。
そう、全てはあのリーマンショックが起こる前の話。
この銘柄はリーマンショックを直撃した唯一のインデックス投信となりました。この銘柄の評価額もみるみる下がり、購入価格の半分くらいにまで落ち込みました。私も人間です。私の気分も落ち込みます。しかしながら、私はこの投資法をやめにして別のもの(例えばFXだとか金だとか)を買おうなどという気持ちにはなりませんでした。
私の資産価値が下がったのはインデックス投信を買ったからではなく、世界の株価が下がったから。長期投資、低コスト投資が真価を発揮するのはこれから。むしろ、世界的に株価が下がって魅力的になったこのチャンスを活かして積極的に投資を推し進めていくべきだ。
2008年の10月に決断をします。今まで買ってきたアクティブ投信をすべて解約すること。その資金をインデックス投信に回すこと。インデックス投信の積立を開始すること。10月にはこの銘柄で大きな勝負をかけました。7500円で54口を買いました。
2009年は3月を底値に初めて経験した上昇相場でした。この時点でかなりのブロガーさんが大損を抱えて投資をやめてしまったり、ブログを閉鎖してしまいました。そのなかで、ずっとこの銘柄を保有し続けたことはとてもよい経験であったと思います。この銘柄はしっかりとインデックスに連動した上昇を続け、私のポートフォリオを牽引する存在となりました。
かれこれ3年間。平均単価は8861円。利益率は20%超。分配金を含めると22〜23%ほどでしょうか。確定利益額、利益率ともに最大の取引でした。これも長期投資がもたらした恩恵だと思います。お疲れ様、なんかそんな言葉もかけてやりたい気持ちです。
売って得たお金ですが、すぐに代わりのETFの購入はしませんでした。少し落ち着いて、また頃合いをみて注文をだそうと思います。大きな金額を張るのは1ティックだけで何千円の違いになるので神経が磨り減りそうです。。
もちろん、これからもインデックス投資を続けていきます。よろしくお願いいたします。